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「去年の冬、きみと別れ」読書レビュー

 

去年の冬、きみと別れ (幻冬舎文庫)

去年の冬、きみと別れ (幻冬舎文庫)

 

ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。

彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。

だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。

この異様さは何なのか?それは本当に殺人だったのか?

「僕」が真相に辿り着けないのは必然だった。なぜなら、この事件は実は―。

 

2018年に映画化もされたお話しです。

 

 

 

去年の冬、きみと別れ
 

 やだ、映画化の俳優さんたち、みんなきれい・・・!!

こ、これは映画も観てみたいな・・・

 

 

なんとなくタイトルが気になって手に取った本でしたが、

タイトルから、なんとなく恋愛に絡んだお話しで、その後悔から始まるちょっとせつない・・・的なサスペンスを予想しちゃってました。

 

ところがどっこい。

どっろどろに縺れてややこしい嫉妬心、ちょっと理解の及ばないレベルの恋人への執着心、ひたすら暗い復讐劇・・・

ある意味予想を裏切られた一冊でした。

 

ちょっと気になった点は、

前半部分で、やたらカリスマ性があるように描かれている人物たち(死刑囚・その姉・人形師)が、後半部分でやたら雑に描写されっちゃってるなーと感じてしまって、

前半でこの人物たちの謎めいた部分に引き込まれていた私は、後半で物語全体の種明かしが進んでいくのについていけなかった感があります・・・

 

最後の最後に明かされる結末で、タイトルも、そういうことか、と納得、

二重三重と覆されて明かされていく真実には圧巻ですが、

映像で見たほうがわかりやすいお話しかもしれません。

 

ただ、物語の根幹となっている「恋人への思い」が、

なかなかぶっとんだレベルの執着心でして、何回、どのように説明されても、

いまいち動機がぴんとこない、という方が多い気がします。

実際、私にはまったく理解できない感覚でした。

女性は、ちょっと嫌悪感を覚える作品かもしれません。

 

お話しとしては、本のボリュームにしてはよく伏線回収などもされていて、

読みやすい感じかと思います。

へぇ、世の中にはそういった類の愛し方をする人もいるのか・・・と

ちょっと怖くなる一冊でした。

 

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